>>1458
ま、まあ、お忍びだから通常の雇用とは違った手続きになるであろうし……そうか、だから源泉徴収もされてなかったのか。
そういえば、年齢制限に引っかかっておったわ。
なるほどな。王子の願いを叶えるために店長は割と無茶をしてくれていたのだな。ありがたい話である。
身分を隠し、お忍びでパン屋に勤める王子アールグレイ。
店の女主人デボラは彼の正体を知りながらも、素知らぬ顔で我が子のように可愛がっている。
特製チョココロネは一番の売れ筋で、毎日の手作り作業は大変だ。
今日も一日の営業を終えて、家路へ向かう王子たち。疲れからか、不幸にも黒塗りの高級車に追突してしまう。デボラをかばい全ての責任を負った王子に対し、車の主、暴力団員カインが言い渡した示談の条件とは……。
デボラはかつてパン職人として修業を積んでいるとき、刺客の不意打ちによって両目の視力を失ったのだ。アールグレイの実家が王城であることに気付いてない。
ちなみに車の運転はできる。パン屋だからな。