それと、さ。
さっき……村まで、国の都から騎士さんが何人か来て、この立て札をたてて帰ったよ……?
何が書いてあるんだろう……えぇと…。
【月見村の皆様、新年あけましておめでとう。こちら国防省からの命令で、この村にふたつの特別条例を出すこととなった。】
【この村に、殺人狼が紛れているという事が最新の調査で判明した。また、それが誰なのか、何匹いるのかは、現在判明していない。】
【そこで、ひとつ目の条例は「事件が収束するまで村からの外出を一切禁じる」こととする。殺人狼が外部に流れ出すことへの懸念だ】
【もう一つの条例だが。「怪しいと思う人間を村の裏側にある旧処刑台を使って一日に一人ずつ必ず処刑すること」と定めた。】
【村の仲間を殺すことは心苦しいとは思うが、投票は全て我々国防省の派遣員が管理するので無投票だった者は「法律違反者と見なし、処刑」することとなるので、是が非でも投票はしていただく。】
【だが心配することはない。一晩に最大一人の頻度でしか使えないが、「狼なのか、それとも人間なのかを見極める機械」を、村人の誰かに説明書とともに送っておいた。誰かは公表しないこととする。その機械の所持者が殺される可能性があるからだ。(占師)】
【また同時に、村人の一人が「司法解剖士」の資格を有していることも調査で判明している。処刑された死体が人間か狼か、調べることが出来るだろう。ただしこれも誰が司法解剖士なのかは公表しないこととする。理由は上記の通りだ(霊能)】
【辛い法律だとは国防省としても把握しているが、外部への狼流出を防ぐためだ理解してくれたまえ】
【国防省担当者・チイダ】
【だが心配することはない。一晩に最大一人の頻度でしか使えないが、「狼なのか、それとも人間なのかを見極める機械」を、村人の誰かに説明書とともに送っておいた。誰かは公表しないこととする。その機械の所持者が殺される可能性があるからだ。(占師)】
【また同時に、村人の一人が「司法解剖士」の資格を有していることも調査で判明している。処刑された死体が人間か狼か、調べることが出来るだろう。ただしこれも誰が司法解剖士なのかは公表しないこととする。理由は上記の通りだ(霊能)】
【辛い法律だとは国防省としても把握しているが、外部への狼流出を防ぐためだ理解してくれたまえ】
【国防省担当者・チイダ】
なに……この、法律…ごほっごほ!
…そんなのおかしいよ、処刑なんて……げほげほ……できるわけないじゃないか…!
みんな……村の仲間なのに……。
おっとっと…せっかくの信念だってのに寝過ごしてしまった。
お、手紙か。年賀状年賀状、俺の方からも出さないとな…
って何だこの手紙は?(↑の内容が書かれている)
おいおい…まじかよ…全然めでたくないじゃないかよ…
国防省の騎士
「(村の入口に立って)えー、みんな、よく聞け!今夜は処刑を実行しない。明日より、国防省より担当の者を村によこすので、その担当者へ投票をそうだな、夜22時までに行うこと、いいな?また、記名投票だから、そこも留意しろ。それじゃあまた明日、担当者へ投票をすること、以上だ」
(そういうと立ち去り)
…おいおい。無茶苦茶過ぎるって。
…ところでさ、投票って、この8人の中から誰を選べばいいのさ?
ほら、例えば自分とこいつはお互いに信頼し合える仲だ!って奴とかいねぇのか?なんでもいい。小さな事でも全くの情報なしよりはマシなはずだろ?
ごめんなさい、少し、休んでいたの……。
……どうして……ここ、からは、逃げられないの……?
嫌……嫌よ、助けて、父様……母様……!!
カーシャ……私達が、お互い……お互いの声を聴ける……って事は、ユーリーさんの言っている、「お互い信用し合える」って事に、当てはまらないかしら……?
私、昔から、時々、カーシャとのように、声に出さずに話をする人と知り合う事があったわ……。
でも、私、他の、動物の声は……聞こえないの。
……私達、お互い……人間って、証明できないかしら……?
フィリア、そうだね……ユーリーが言ってるのは多分、私たちのこと。
私たちはお互い人間だもの……
どうする?どっちか言ってみる?
明日から自分たちの手で処刑していくわけ?国防省、狂ってない?なんなの!
どうやって決めたらいいのかしら‥‥‥混乱するわ。
ありがとう……私もよ、カーシャ。
ここに来て間もない私の言葉、みんなが信じてくれるかわからないけど……頑張るわ。
……取り乱して、ごめんなさい。
みんなに、伝えなければいけない事、が……あるの。
【私は、自分以外の、『人間』と、声を出さずに会話する事が出来るの。】
……昔読んだ本だと、『共鳴』、という能力……らしいわ。
ただ、全員と会話……出来る訳では、ないの……。
まず、動物の声は聞こえない……人間、それも同じ『共鳴』の力を持っている人じゃないと、『会話』、出来ないのよ……。
この村に、力を持つ人がいるのは、幸いだったわ。
その人には、今は、名乗り出ないでもらうけど……その人は、人間よ。
私が保証するわ。
……余所者の、私の言葉……信じてもらえるか分からないけど……。
私は人間……もう一人の、共鳴の力を持つ人も、人間よ……。
……信じて、ほしいの……お願いよ……!
わたしは高級羽毛布団のベッドでしか眠れないのよ!
朝はクラシック流しながらお紅茶をちゃんと出してくれるんでしょうね!
美白ケアはあきらめてあげてもいいけどそこはゆずれないわよ!
ていうかこんな時にニキータ、よくお雑煮なんて食べてられるわね!その余裕怪しいんじゃない?
>>42 ドミニカさん
……ごめんなさい、手が滑ったわ……(本当よ?)
……そうね、その人の名前も明かさずに、信じてもらおう、なんて……虫が良い話よね。
……時間をちょうだい。
どうするべきか……話して、みるわ。
それと、余所者の私に、指示されるの……気に食わないかもしれないけど、【人か狼か判別できる機械を持っている人】と、【司法解剖士さん】は、まだ名乗り出ないでほしいの。
【機械を持っている人は、明日……そうね、誰かを調べた後に報告をちょうだい。】
【司法解剖士さんは、まだ、黙っていてね。】
……これは、私の独断での、お願いよ。
もう一人の意見によって、変わるかもしれないわ。
とりあえず、【機械を持っている人】と、【司法解剖士さん】にはまだ黙っていてもらうように言ったけど……。
カーシャ、どうする……?
何か、意見があったら、教えてほしいの。
……生き残るためには……。
仕方ないんだ……よ?
こんな忌々しい血が流れてるから……。
でも、生き残るためだもの……そうでしょ…?