難しいかも知れないけれど、
罵倒や喧嘩じみた物言いは、
「この人にとっては、これが標準語なんだなー」
と、思えば、結構楽になると思う。
そこに相手の攻撃性が乗っている、と感じるから辛くなる。
言葉を使う基準が、自分と違うんだな、と思えば。
と、言いつつ、
初日に分かり辛い言葉はスルーと、牽制したみたいに、弟も苦手あんだけどね…
独り言ばっかだと、そうなる事あるね。
白で発言すると大丈夫。
というかさ。
保留無いんだから、白で話してもいいじゃん。
イライダはお蒲団から鳩にしときなさいな。
と、言ってみる。
あと、インフル中は体力落ちてるから治りかけに他の病気なることもあるから油断はしないようにしやさんせ。
三度の飯より喋るの大好きなイライダお父さんが、お布団入って寝たおしてたら喋らずにいられないに決まってるじゃないかおおげさだなぁ。
よし。お母さんはそろそろ寝ますよ。
あんたたちも夜更かしはほどほどにね。
あと、寝る前には歯を磨いて手を洗ってうがいしなさいよ。
お蒲団は肩まではいること。いいね。
うえっ……?
……え、ふえ、えええっ?
[おっかなびっくりに髪を撫ぜた手に、動揺を隠せずに]
……そ、れは。
だって……、弟のこと好きだもん。待つよ。
[伝わってくる動揺に、少し安心する。
そうか、姉さんも同じように緊張しているんだって]
…ありがとう。
弟も、姉さんのことが好きだから。
すごく…嬉しい。
[すっと彼女のほうに一歩近づく]
騒動も一段落したし。
これからは、ゆっくり一緒にいられたら、いいな。
[髪を撫でている手を、背中に回そうとする。
サシャ姉さんの様子を窺いながら。
拒まれなければ、そのまま抱きしめようと]
ぅ……、え、……ええぇ……?
[背に伸びる腕に、頬を染めながら]
……ちょっ、ちょっ、弟……!
あの、えっ、その……、ちかい、よ……?
[とはいえ、弟に求められれば、拒むことなどなく。
抱き締められた腕の中で、もぞもぞと……]
姉さん、顔、真っ赤。
[柔らかく微笑む。
自分の顔だって、赤くなっていないか、怪しいところだけど。
そっと優しく抱きしめる。
まるで壊さないように、気遣うみたいに。]
………あぁ、近いな。
だから、暖かい。
[腕のなかで、小さく動く姉の様子に、また微笑む]
ほんとうに、可愛い。
弟の大切な、姉さん。